授乳

夕食を終え、風呂にも入り、就寝までのひと時。
ソファで雑誌を捲っていると、隣にアクセルが勢いよく座り俺の手から雑誌を取り上げた。
「何だ?」
突然気ままな時間を邪魔され目の前の男を睨み上げれば、アクセルは満面の笑みで一言。

「おっぱい吸わせて」

は?と、呆気にとられている間にアクセルは取り上げた雑誌を背後に放り投げ、俺をソファの背もたれに追い詰めた。
「昨日バーのお客たちと男の乳首についての話になってさ、男もそこは性感帯って聞いたのよ。そういや俺、今まであまりあんたの乳首って構ってやってなかったなーと思って」
「……それで構ってやるって?結構だ。自分のでも吸ってろ」
断固たる拒否の言葉も意に介さず、アクセルは俺のTシャツをたくし上げ始めた。
「おい!」
「そんな話聞いたら無性に気になって、さっき見た風呂上りのあんたの乳首がやたら美味しそうでさ」
言いながらアクセルは俺の胸の先端をつまみ、捏ね始めた。悪戯と思いきや、意外にも指は真面目な愛撫の動き。
ふと、アクセルはセックスをしたいのだと思った。これは前戯なのだろう。だが、なにもそんな所に興味を持たなくても……。
アクセルは指で揉まれ僅かに隆起したそれを口に含んだ。いつもは刺激を受けない部分に熱く濡れた感覚。何だか奇妙な気持ちだった。
「ど?感じる?」
「感じるわけないだろ、バカバカしい」
男の乳首などただの飾りみたいなものだ。
「ちょっと、自分でここ持っててよ」
アクセルは俺の手を掴むとたくし上げたTシャツの裾を握らせた。さらに、こっちの手も暇でしょ?と言ってもう一方の手で奴の頭を支えさせられる。それはまるで女が赤ん坊に乳を与えるような恰好だった。
アクセルは俺の胸に貼り付いて本格的に乳首を吸い始めた。
感じさせようとして舐めるのではなく、本当に赤ん坊が乳を飲むように舌を絡めて吸う。何も出ないはずなのに、顎を上下させ喉を鳴らす。
片方を吸っている間、もう片方は指で捏ね、それは左右交互に繰り返された。
俺は次第に妖しい気分になる。
男同士でありながら授乳の真似事。アクセルはセックス自体には関心がないらしく、まるで乳飲み子のように本気で乳首を吸い続けていた。
今、俺たちは異常で倒錯的な行為をしている。その事実に、あろうことか俺は興奮していた。
やがて胸の先端が敏感になってきた。吸われるたびにびくりと肩が跳ね、指で揉まれてじくじくと疼く。倒錯的行為に興奮する自分を自覚してからいっそう感覚は鋭敏になった。
「……なんか乳首、膨らんで硬くなってきたよ?」
胸から口を離さないままアクセルが言う。その唇の振動にすら甘い痺れが走った。
胸元を見下ろすと、今まで存在感のなかった自分の乳首が吸われて赤く色づき、先端がすっかり硬く隆起している。さらにそれが唾液に濡らされ淫靡に光っていた。

たまらなく恥ずかしい。
自らシャツを捲って男に乳を含ませている事が。
女のように乳首で感じてしまっている事が。
こんな倒錯的な戯れに興奮している事が。
自分だけセックスしたがっている事が。

「も……よせ……」
震える声で言えば、アクセルは無情にも首を振った。
「もうちょっと我慢しなよ」
言ってアクセルは顔を上げ、両乳首をつまむと先端を小刻みに勢いよく擦り始めた。
「……っあ!あ、ぁぁ……っ!」
敏感になった所に激しい刺激を与えられ、たまらず喘ぐ。
アクセルは、俺のジーンズの前が硬くなっている事にとっくに気付いている。気付いていながら下半身には手を触れず胸だけを責めていた。
股間だけでない。胸への刺激が後ろの奥まで届くのか、あらぬ所が収縮し始めていた。いい加減どうにかしてほしい、と叫びたくなる。
俺の身体の素直な反応にアクセルは嬉しそうに笑った。
「やっぱ何も出ないか」
「当たり前だ……ばかやろ……」
「じゃあさ、上からミルクが出ないんだったら……」
そう言うとアクセルはおもむろに俺をソファに押し倒した。
「下からなら出るかな?」

アクセルの指が俺のジーンズのボタンを外し始めた。



  6月の第三日曜日は父の日。父の日に父に感謝を捧げつつ、乳に想いを馳せたちちの日物語♪
男でありながら授乳させられる”お母さんごっこ”。そんな倒錯的な設定に萌える異常性癖な管理人です///
羞恥に悶えながらいいようにされちゃうハリー。もっと感じてしまえばいいのよ。

[2015年 6月 21日]