男娼パラレルです。小夜啼(さよなき)という名の男娼の物語。勿論ハリーです。
どこかの国のいつかの時代。ちょっと切なく、でも暗くはないおとぎ話。(のはず)
エロ絵もピンだとさほどの罪悪感や羞恥心はナイ(笑)
[2009年 9月 22日]
「自分で慰めてごらん――」 男の言葉に小夜啼は顔を上げた。この客は、また新しい趣向を思い付いたらしい……。 男は特別な客だった。小夜啼の初めての男で初めての客。此処から男娼である彼を引き取り、自分の屋敷に迎え入れたいとまで申し出るような酔狂な貴族。そして訪問を心待ちにしてしまう唯一の存在。この客の命ずる事に、小夜啼は心も身体も逆らえなかった。 帯を解き白い単衣の前を開く。窓際に座ったところで再び男が命じる。 「脚を大きく開いて、よく見えるように」 言われた通り男に向かって脚を開くと、まだ力なく項垂れた己の雄を握り込んだ。 本来、自慰などする必要も機会も小夜啼にはなかった。毎夜入れられる予約。男たちに抱かれない夜はない。 全身に舐めるような男の視線を感じる。視姦されて身体が熱くなる。 ゆっくり自身を上下に扱きながら、ふと小夜啼の脳裏にある青年の顔がよぎった――。 その黒髪の青年はこんな娼館には不似合いの、明るい陽だまりのような男だった。めったに笑わない小夜啼からなんとか笑顔を引き出そうと、彼はいつも可笑しな冗談を言って笑っていた。 高級男娼を一夜自由にするための金は決して少ない額ではない。青年は苦労して作った金を握り締めて彼に会いに来た。だが、決して抱こうとはしないのだ。 『俺はあんたと過ごす時間を買うけど、あんた自身の価値は金でなんか買えない』 本当は抱きたいくせに……。青年がいつもズボンの前を張らせていたのを知っている。 小夜啼は青年の理屈もその気持ちも自分の苛立ちも、なにもかも理解出来なかった。 あの青年はどんな風に自分を抱くだろう……。たとえば、こんな風に……。 自身を握る自分の手に青年の大きな手のイメージを重ねた。その途端、激しい疼きが下肢に広がる。扱く手の動きが知らずに速度を増していた。 性器の先から透明な粘液が茎を伝い流れ淫靡な音が鳴る。空いた手を胸に這わせ乳首を捏ねた。 「ハァ……あぁ……」 その昂る姿に煽られて自慰を命じた男が立ち上がる。男はこのまま吐精させはしない。扱く手を押さえて抱きすくめ口付ける。 まるで、他の男の事を考えていたのを知っていたかのように、荒々しく咎めるような口付けだった。 きっと今夜はいたぶるように犯されるだろう……。 ――俺はあなたから逃げられない。 雲から月が顔を出して強い月光に照らされる。東洋風な趣の窓枠が影となって伸び、痩せた身体を影の檻が閉じ込めた。
男娼パラレルです。小夜啼(さよなき)という名の男娼の物語。勿論ハリーです。
どこかの国のいつかの時代。ちょっと切なく、でも暗くはないおとぎ話。(のはず)
エロ絵もピンだとさほどの罪悪感や羞恥心はナイ(笑)
[2009年 9月 22日]