「ちょっと待てったら……ステファン!」 ハリーが腕を突っ張らせて抵抗し、私を睨み上げる。 「待てないよ。嫌かい?」 「家の中に入るなりこんな……。いい大人がみっともないよ!」 二人で森の小屋に来た。3日ぶりだ。鍵を開けて中に一歩入った途端、ハリーを肩に担ぎ上げソファへともつれ込んだ。とにかく、彼を抱きたくて堪らなかった。覆い被さって、顔に首に口付けの雨を降らせたら抵抗された。20以上も年下の少年に、みっともないと言われてしまっては苦笑するしかない。 「辛抱の出来ない大人で申し訳ないね。でも、君の此処は私に味方しているようだが?」 言いながらジーンズの前をやわやわと揉み込むとハリーは、うっ、と言葉を飲み込んだ。ベルトを外し、ジーンズを腿のあたりまで引き下ろし、股間に顔を埋める。 「吸わせてくれ……」 勃ち上がりつつあるものを口に含まれてしまえば、もはやハリーは抗えない。夢中で吸い舐めると、ハリーの抗議の声は甘い吐息に変わっていった。 あの雷雨の夜の翌日も、此処でまたハリーを抱いた。前日の雨が嘘のように晴れた朝、牧場の馬たちと森の様子を見に行かないかと誘ったら、彼は黙って付いてきた。昨日の今日だ、この小屋で二人きりになると私に何をされるかは予想出来ただろう。その時点ですべて了承と受け取り、何も言わず寝所に連れて行く。ハリーは僅かに抵抗したが、有無を言わせぬ愛撫を受け、震えながら身体を開いた。私はそんな彼の尻を存分に犯したのだ。 自分はハリーの身体に溺れている。翌日から2日間仕事で家を空けなければならなかった時、それをはっきり自覚した。仕事先での一人寝の夜、愛撫に身悶えるハリーの白い身体が脳裏に浮かんで堪らない気持ちになった。手に入れたばかりの美しい恋人から、一瞬たりとも離れたくはないものだ。 そこで家に帰るなり、5日間の森での休暇をハリーに提案した。さも健全なるキャンプへの誘いのように。――だが、彼は当然私のよこしまな欲望を見抜いていただろう。知っていながら承諾したのだ。 両親はこの話に喜んだ。私がハリーと仲がいい事が嬉しいらしい。年寄りの自分たちと過ごすだけでは若いハリーが退屈する事を気に病んでいたのだ。まして屋敷からごく近い距離だ。何の心配もいらない。 ただ、執事のジョゼフに対してだけは何故か胸が痛んだ。今朝、屋敷を出る前に笑顔でハリーに弁当を手渡したジョゼフ。まだ温かい、いい匂いがするバスケットケース……。命じたわけではない。これはずっと昔からハリーと私を愛してくれる、この老紳士の気持ちなのだ。 「よかったですね、ハリーさま。楽しんできてくださいね」 バスケットを受け取ったハリーは一瞬驚いた顔をし、ごめんねと言った。ありがとうではなく、ごめんねと言うハリー。彼の胸中を想うと自分の罪深さを思い知る。 「ありがとう、ジョゼフ。――美味そうな匂いだ」 私がハリーの分まで礼を言うと、執事は頭を下げた。 「差し出がましい真似とは思いましたが……」 「何を言う。嬉しいよ。昼が楽しみだ」 そんな風に家の者たちに見送られて、私たちは森に来た。 淫らな行為をするために……。 「ステファン……ステファン!此処じゃ……嫌だ……」 喘ぎ混じりにそう訴えられて顔を上げた。リビングスペースで行為に及ぶという事が落ち着かないらしい。狭いソファも身体の置き場がしっくりこないようだ。 「では、ベッドでじっくりしてあげよう……」 私はそう言うと、真っ赤になったハリーを抱き上げてロフトに上がった。 服を脱がしながらなめらかな肌を手のひらで堪能した。冷たくてさらっと乾いてシミひとつない、女も羨むような白い肌。膝の裏から脚の付け根に向かって舌を這わせると、彼の身体からは相変わらず温かな樹木の香りがする。その香りと舌触りにうっとりしながらなだらかな臀部を両手で揉みしだいた。 「腰を上げて」 うつ伏せたハリーの背中に声をかけ、膝を立て上げられた尻の狭間に用意したローションを垂らす。 「君に本当の快楽を教えてあげよう――」 「一体、何を……?」 それには答えず、中指を1本奥まで入れた。ハリーが思わず息を詰める。その指を、円を描くように回し2本目を潜り込ませた。うっ、と小さく呻くハリーに、痛いか?と訊くと彼は首を横に振って答える。ローションの滑りのおかげで抜き差しがスムーズだ。ハリーに痛みを与えずにすむ。だが、今日は摩擦による快感を与えるわけではない。 手の甲を上に向け、指の腹で中を探った。やがて見つけた小高くなった部分を強く押す。途端にハリーの身体が跳ねた。――ついに見つけたその場所を指先に記憶させる。 「――な……何?今、何をしたの!?」 ハリーは、その強烈な刺激に恐怖すら感じるらしく、怯えた目で振り返った。 「心配はいらないよ。君の性感帯に触れただけだ」 「性感帯って、何をそんな……ああぁっ!」 本格的に指の動きを開始させ、ハリーから言葉を奪う。 「思った通り感じやすい身体だ。大きな声を上げたって構わないよ」 そうは言っても、ハリーが素直に快楽に身を任せるとは思えない。案の定唇を噛みしめ、声を上げる事を拒んでいた。そんな頑張りを可愛いと思うが、このままにさせておくわけにはいかない。唇を噛み切ってしまう事は目に見えている。 後ろから手を伸ばし、手のひらで顎を支えて口内に指を押し込んだ。 「君の可愛い声を聞かせてくれ。――さあ!」 「は……ア、ア、アァ……!」 無理やりこじ開けられた口から喘ぎが漏れ始める。閉じる事を許されないために飲み込めなかった唾液が流れて、私の手のひらと彼の顎を濡らした。一度漏れ始めた声はもう止まらないだろう。ハリーの口から手を離し、尻の中をまさぐる事に集中した。 「ひぁ、ぁ……も、ヤダ……やめ……」 ハリーの声が涙混じりになっていき、弱々しく首を振った。彼の股間に目を移すと、血管を浮き上がらせ猛ったペニスから透明な雫が糸を引いて垂れている。 間違いなく達する――!そう確信し、腕全体に力を込め小刻みに擦った。 「う……っ!ああぁ!」 その時、開いた脚の間から、触れられてもいないペニスの先から精液が迸るのが見えた。――ハリーが初めて後ろだけでイッた瞬間を見届ける。それは本当の意味で彼が私とのセックスを受け入れる身体になったという事だ。それはえも言えぬ喜びと、そして興奮。 もう身体を支えられなくなり膝が崩れて突っ伏したハリーに、私は無情に命じる。 「腰を上げなさい。まだこれからだ」 彼の腰を自分の膝に引き上げ、尻を腿ごと小脇に抱え込んだ。脚を開かせ、身動きが取れないように押さえ付ける。上半身すら起こす事が出来ないだろう。高々と突き出させた尻の奥を覗き込み、蕩けた後孔に再び指を挿入した。 「もうつらい!お願いだから離して!ステファン、ステファン!」 身を捩る事が出来ず、腰を引く事も脚を閉じる事も出来ないハリーは懇願の言葉を言うしかない。だが、私は彼を解放する気はまったくなかった。 「こんな快感は初めてだろう?君は尻の中を指で弄られて射精したんだ。まだまだ何度でもイカせるぞ」 3本目の指をねじ込んで性感帯に食いこませ、そのまま手を止めず抉る。 「いやああぁ―――っ!」 射精を伴わない絶頂に見舞われ、ハリーは絶叫した。 「これが男に抱かれる悦びだ。愛撫をしっかり受け入れなさい。これから此処が君の快楽の泉になるんだ」 激しい快感に成す術なく、狂ったように頭を振りながら、もう許してほしいと悲鳴混じりに懇願するハリー。あの綺麗で清楚な少年が、私の愛撫にこんなに乱れた姿を晒している……。私は残酷な征服者になった気分で、何度も彼をイカせた。 ハリーの身体が痙攣し始める。私は指の動きを止めて、失神寸前のハリーに話しかけた。 「私に抱かれるという事がどういう事かわかったか?ガキ同士のマスのかき合いとは大違いだぞ?身体を開かれて、女のように穴でイカされて、男としてのプライドも傷付くだろう。それでも君に私を受け入れる覚悟があるか?」 少しの沈黙の後、荒い呼吸をしながら顔を伏せたままのハリーが呟く。 「――プライドがどうとか……覚悟がどうかなんて……そんなの、知らないよ……!」 抱え込んでいた腰を離して膝から下ろしてやる。彼はのろのろと身体を返して仰向けになった。 「今の俺にわかるのは……ステファンが欲しいって事だけだ……」 思いもよらない告白で言葉を失う私を前に、ハリーはもっと驚く行動に出た。大きく脚を開き、自らの脚を抱え上げたのだ。 「ステファンの……此処に挿入れてよ……!あなたが欲しいよ……」 そう言って彼は、両手の指で少し口を開けた蕾をさらに自分で開いて見せた。このハリー以上に淫靡な光景などあるだろうか。ズボンの中で自分のモノが大きく膨れ上がった。急激に血が集まって巡り出し、痛みすら覚える。 おそらくこれは、私がプライドについて問いかけた事への彼からの回答なのだ。こんな慣れない事をして羞恥に震えながらも私に応えようとする。愛おしい――と思った。 そのまま開いているよう命じ、荒々しく食らい付いた。開いた穴の縁をきつく吸い上げ、ハリーの指ごと舐めると鼻にかかった甘い声が上がる。穴に深く舌を差し込んで中を滅茶苦茶に舐めまわすと、あまりの気持ちよさになのだろう――とうとう泣き出した。 「泣くほど尻が気持ちいいか……?」 身体の中で最も恥ずかしいであろう部分を差し出す姿と泣き声で、理性など完全に消え失せた。逸る気持ちを抑える事も出来ず、慌ただしくベルトを外してズボンを下げる。 「もっと広げて!」 ハリーの指に力が入ると、綻びかけた蕾が開いて赤く熟れた粘膜が微かに見える。そこをめがけて限界まで硬くなったペニスを一気に挿入した。 「ああぁ―――っ!」 「う……っ!凄い!」 思わず呻いた。柔らかな腸壁に強く締め付けられ襞がざわざわと蠢く。挿入した瞬間にイカされそうになった。息を詰めて持ちこたえ、何度も腰を叩きつけてハリーを責める。身体をしならせ、背が折れんばかりに仰け反るハリーの頬を涙が流れた。 激しい快感で敏感になり過ぎた身体に、私は終わりのない絶頂感を与える。生まれて初めて味わう恐ろしいまでの快楽にハリーを無理やり浸らせて、その身体も心も全部自分の支配下にあるのだとわからせる。だが、私自身こんなセックスは初めてだ。 やがて、征服した証として彼の体内に精液を流し込むと、ハリーが悦びに全身を震わせ、泣きながら私の名を何度も呼んだ。 この感情を、どうしていいのかわからなかった……。 開けた窓から涼やかな風が流れ込んできた。風は火照った肌を冷ましていき、部屋の淀んだ空気を入れ替えた。先程まで部屋に満ちていたオスの臭いが薄らいでいく。 「――怒っているのかい?」 隣で横たわる少年に声をかけた。彼は先程からずっと私に背を向けたままで、何ひとつ喋ろうとしないのだ。 「痛かったかい?それとも……もう嫌いになった?」 「――違う!」 その言葉にようやくハリーは振り返ってくれた。咄嗟に口を開いたが、彼はすぐに顔を赤らめて口ごもる。視線を逸らしてようやく、恥ずかしいのだと不機嫌の訳を告白した。大きな声を上げて、泣いて、乱れて……。話を最後まで聞いて、私は笑いながらハリーを後ろから抱き締めた。 「可愛い泣き声だった――。君の身体は色っぽくて、いやらしくて、最高に気持ち良かったよ」 頬に口付けるとハリーが唇を寄せてきた。せがまれるままゆっくり唇を貪って、離した時ハリーがぽつりと言った。 「ステファンは俺が好き……?」 正直驚いた。何故今さらそんな事を訊くのかと半ば呆れる。 「好きに決まっているじゃないか!好かれてないと思っていたのかい?」 私は上体を起こし、ハリーを真っ直ぐ見下ろした。 「愛しているよ、ハリー。君を愛しているから抱くんだ。君のすべてが欲しい……」 先程まで涙が流れていた頬を、雫の軌道を思い出して指でなぞる。するとハリーが両手を首の後ろに回してきた。 「――じゃ、あげるよ。愛してくれるなら、全部ステファンにあげる」 「本当に、私のものになってくれるのか……?」 「いいよ……。何でもあなたの言う事をきく……」 真っ直ぐ見上げてくるダークブルーの輝きに身体が震える。 ――自分は今、とんでもなく美しい生き物を手に入れようとしているのだ。 森で過ごしたこの5日間、私はハリーとかた時も離れなかった。昼間は森の奥深くまで散策し、川で釣りをして、父と子のようにアウトドアを楽しむ。 だが、夜は必ず限界までハリーを激しく責め立てた。暗がりの中で、後孔を嬲る卑猥な水音が、肉同士がぶつかる音が、大きく響く。愛撫が進むにつれ喘ぎに悲鳴が混じり出す。本気の悲鳴に加虐心を煽られてますます手酷く弱い所を責めれば、今度は悲鳴に泣き声が混じった。 夜まで待てずハリーの身体に手を伸ばす事も多々あった。どんな場所でも欲しくなれば、肌をまさぐり下着の中に手を入れる。彼の喘ぎ声が次第に大きくなる頃、我慢出来ずにその場に押し倒す。そこがソファでも、キッチンの床でも、私が要求すると彼は素直に脚を開いた。 何でも言う事をきく――という言葉通り、ハリーは私が何を求めても拒否しない。 「――口を開けて」 ソファに腰掛けてハリーを足元に跪かせると、ファスナーを下ろしながらそう命じた。真昼の居間で全裸にされたハリーがおずおずと口を開くと、彼の熱く濡れた口内に性器を押し込む。教えた通りに舌を使い奉仕するハリーに、自分で後ろの準備をするように言うと、片手を後ろに回し後孔を解し始めた。覚えが早い……。こんな時にも真面目で勉強熱心な性格が出るのだろうか。次第に荒くなる息遣いと腰の動きに、彼自身が快楽を感じているのがわかる。 「四つん這いになりなさい」 言われた通りに床に這ったハリーの尻を割り開くと、待ちきれない蕾がヒクついて私を誘う。――焦らしながら挿入すると、口より熱い彼の体内に骨盤が溶けそうになった。 腰を動かし始めるとすぐに切なげな喘ぎが上がる。 「気持ちいいか……?」 「ん、んッ――ウン……」 ハリーの尻の中をペニスが行き来する様子が卑猥で、見ている自分の息も荒くなる。 「――ステファン……俺を……ア、愛して……る?」 「愛しているさ……堪らなく、愛しているよ」 驚いた事に、ハリーの身体は抱く度に具合が良くなっていく。そしてどんな行為も受け入れる代わりに、必ず愛の言葉を欲しがった。私が望み通りの言葉を与えると、自分を解放するかのように淫らになっていく。 彼は物ごとのすべてに理由が欲しいのかもしれない。